近年数を増しつつあるプログラミングスクール。IT業界の急成長にともないスクールに通う受講生も増加傾向にありますが、その裏で話題になっているのがプログラミングスクールの「闇」についてです。
「エンジニアになるためにはスクールは不要?」
「無料のプログラミングスクールは何か裏がある?」
こんな噂が気になっている人も多いのではないでしょうか。
そこで、今回は「プログラミングスクールはやめとけ」と言われる理由を、スクール通学に向いている人の特徴も交えて紹介します。この記事を読めば、プログラミングスクールに通うべきか判断できますよ。
プログラミングスクールがやめとけと言われる7つの理由
さっそく、「プログラミングスクールがやめとけ」と言われる下記7つの理由を、Twitterから引用した口コミも交えて紹介します。
- プログラミングスキルは独学でも習得できるから
- スクールに通うだけではエンジニアになれないから
- あまりにも高額な受講料を設定しているスクールがあるから
- エンジニアに将来性がないから
- 就職後に社内研修を受けられるから
- スクールの内容だけでは現場で通用しないから
- 「ハズレ」のプログラミングスクールがあるから
プログラミングスキルは独学でも習得できるから
まずはじめに、プログラミングは独学でも習得することが可能なようです。プログラミングは、独学での挫折率が「約9割」と非常に難易度が高いと考えられていますが、それは少し間違っている場合があります。
プログラミング学習の難易度が高い理由は習得までにかかる「時間」であり、それに耐えられる精神力さえあれば独学でスキルを身につけることもできるでしょう。最近では、Progateやドットインストールなどインターネット上でプログラミングを学べるサイトが多く、プログラミングスクール以外の選択肢も豊富に用意されています。
本気でプログラミングを習得したい人は、すぐにスクールに頼らず、まずは独学でスキル習得を目指してみるのも良いかもしれません。
スクールに通うだけではエンジニアになれないから
「プログラミングスクールに通うだけではエンジニアとして転職することは難しい」といった意見も見られます。近年、Google社やMicrosoft社といったIT企業の躍進に伴いエンジニアを目指すプログラミング未経験者は増加傾向にあります。
その中の多くの人がプログラミングスクールで基礎スキルを身に着けているため、スクールを卒業するだけでは他のライバルに差をつけることは難しいでしょう。スクールで教わる内容を学習するだけの「受け身」の姿勢ではなく、スクール在学中に自分で案件を獲得したり講師に積極的に質問するなど「能動的」に動くことが、エンジニアになるためには必要なのかもしれませんね。
案件獲得や積極的な質問は、エンジニアとして重要なコミュニケーション能力を養うためにも重要なポイントなので、特に意識しておこなうようにしてください。
あまりにも高額な受講料のスクールがあるから
プログラミングスクールの受講料は、受講料が無料のスクールから半年間のレッスンで100万を超える受講料を支払う必要があるスクールなど、スクールによってまちまちです。もちろん高額な受講料を設定している多くのスクールはクオリティの高いサービスを提供していますが、中には中身がスカスカの「詐欺スクール」も。
口コミや評判を一切確認せずに公式サイトや受講料の金額で通学するスクールを決めてしまうと、高額な受講料を搾取されるだけでエンジニアとして必要なスキルを習得できなかった、なんてことにもなりかねません。未経験者がプログラミングスクールに通う際は、SNSやインターネットを駆使してさまざまな観点から各スクールを比較する必要があるでしょう。
エンジニアに将来性がないから
ここ数年、科学技術の発展によりノーコード(コードを書く必要がない)やローコード(コードをほとんど書かなくてよい)でサービスを開発できる技術が多く提供されています。エンジニアの需要は増加傾向なので心配は不要という声は多いですが、コードを書けない人にもエンジニアとしての間口が広がるため、スキルレベルの低いエンジニアは淘汰されてしまう可能性があるでしょう。
さらに、人間のふるまいを人工的に再現することに成功した「AI(人工知能)」の発達も、エンジニアの将来を阻害しているのではという考えもあるとのこと。これも、部分的には本当とされています。
コードを書くだけの単純作業をおこなうエンジニアはAIに代替されてしまいますが、AIのメンテナンスをおこなうAIエンジニアや創造的な作業をおこなうエンジニアは今後も必要とされるでしょう。これからエンジニアを目指す人は、AIなどの最新技術に負けない「プラスアルファ」のスキルを身につける必要がありそうですね。
就職後に社内研修を受けられるから
SNS上では、「IT企業に就職すれば社内研修で必要なスキルを習得できるからスクールへの通学は不要」という声もいくつか見受けられました。これは、特に大手企業に新卒で入社した人に多いパターンですね。
新入社員は入社後にプログラミングを学べ、企業側も大人数の新入社員に一斉に指導できるなど、新卒研修は双方にメリットがあります。一方で、転職でエンジニアを目指す場合や採用人数の少ないベンチャー企業への就職を目指す場合は、新卒研修のような学習環境はまず無いと考えたほうが良いでしょう。
入社後に即戦力として活躍できるようなスキルを、案件獲得やスクールでの学習などさまざまな方法を通じて習得しておく必要があります。
スクールの内容だけでは現場で通用しないから
多くのプログラミングスクールで用意されているコーディング教材は、基礎スキルを漏れなく伝えるために編集されたうえで提供されているため、学習した内容だけでは現場の実務で全く歯が立たない可能性があります。
さらに、エンジニアは活動する現場は多くのメンバーが協力してひとつのサービスを開発することが多いため、複数のパターンに対応できる「柔軟性」や「コミュニケーション力」もプログラミングスキルに加えて必要です。
上記の能力はプログラミングスクールのレッスンで習得することは難しいため、他の方法で鍛えておかなければいけないでしょう。
「ハズレ」のプログラミングスクールがあるから
プログラミングスクールには、「当たり」のスクールと「外れ」のスクールが存在しているようです。これは、スクールと受講生の相性という意味でも、スクールの質という意味でもあります。
いずれの場合でも、自分でスクールの当たり外れを判断できないと、いつまでたっても必要なスキルを習得できないというおそれも。また、マンツーマンでレッスンを受けるスクールの場合は、指導をおこなう「講師」との相性も重要なようです。
エンジニアになるには自分のやる気も大事ですが、サービスの質も同じくらい大切でしょう。学習中は常に意識を高く持ち、効率よくプログラミングスキルを習得できるように工夫しつづけることができるかどうかがエンジニアになれるかどうかの分岐点かもしれませんね。
プログラミングスクールには通うべきなのか
実際、エンジニアを目指す人はプログラミングスクールに通うべきなのでしょうか。
もちろん、プログラミングスクールは非常に便利なサービスです。初心者にもプログラミングスキルをわかりやすく教えてくれるため、スクールへの通学が必要な人もたくさんいるでしょう。
しかし、その反面でスクールへの通学後に「独学でも良かったな」と後悔している人も一定数存在しているのです。
この項ではスクールとのミスマッチを防ぐため、プログラミングスクールへの通学をおすすめしない人の特徴を以下の項目に分けて解説していきます。
- 自分の立てた計画通りに学習を進められる人
- プログラミングスキルをある程度習得済みの人
- スクールにすべて丸投げしてしまう人
- まとまった学習時間を確保できない人
自分の立てた計画通りに学習を進められる人
プログラミングを習得するまでにかかる時間は、一節には基礎レベルを習得するまでにおよそ「200時間」、エンジニアとして活動できるレベルまでにおよそ「1000時間」程度かかると言われています。つまり、毎日3時間程度の勉強を継続したとしても、エンジニアとして仕事をおこなうレベルに到達するには約1年程度時間が必要ということです。
1年もの長期にわたって勉強を継続するのは高校受験や大学受験以来、という方も多いのではないでしょうか。過去の受験勉強を乗り切った経験のある人や長期間にわたってモチベーションをキープできる人、ゴールまでの道筋を立ててから勉強を始められる人は、スクールに頼らずとも独学でプログラミングスキルを習得できる力が備わっているはずです。
プログラミングスキルをある程度習得済みの人
プログラミングスキルをある程度習得済みの人は、プログラミングスクールに無理に通う必要はないといえます。プログラミングスクールで学べるのはWeb制作スキルのあくまで「基礎」であり、現場で役立つスキルをスクールで学ぼうとするのは少し難しいでしょう。
現場で役立つスキルをもっとも効率よく身につける方法は、「実務」ただひとつです。プログラミングの基礎レベルを習得済みの人は、Lancersやクラウドワークスといった「クラウドソーシング」を活用して初心者でも対応可能な案件を実際に受けてみましょう。
案件を一度体験するだけで、提案から納品までの一連の流れを把握することができます。さらに、提案時に必要なコミュニケーション力やゴールから逆算して計画を立てる「スケジュール管理スキル」など、自分に不足しているポイントを発見できるでしょう。
スクールにすべて丸投げしてしまう人
スクールにすべて丸投げしてしまうような「受け身タイプ」の人は、たとえプログラミングスクールに通学したとしてもエンジニアになることは難しいでしょう。プログラミングスクールを経てエンジニアとして活躍したいのであれば、日々の講義を「主体性」を持って受ける必要があります。
多くのプログラミングスクールではレッスン終盤でオリジナルサービスの開発をおこないますが、ほとんどの人は独力でサービスを完成させることはできません。開発を進めていく中で生じた課題を「分析」し、自分で「リサーチ」したり「質問」することではじめて壁を乗り越えられるのです。
受け身の姿勢でスクールに通っている人は、これらの壁を乗り越えるマインドが身についていないため、卒業後もエンジニアの舞台で力を発揮することは厳しいと言わざるを得ません。
まとまった学習時間を確保できない人
まとまった学習時間を確保できない人は、プログラミングスクールへの通学は避けたほうが良いでしょう。これは勉強全般に共通して言えることですが、新たな知識を頭に効率よく蓄積させるには、「予習」「レッスン」「復習」の3ステップを短期間で反復することが大切です。
しかし、多くのプログラミングスクールはレッスンの受講期間があらかじめ設定されており、受講生は設定された講義予定通りにレッスンを受講しなければいけません。つまり、まとまった学習時間を確保できない人はレッスンの受講のみに忙殺されてしまい、「予習」や「復習」をセットで実施することが厳しくなってしまうということです。
レッスンの受講時間以外に「予習」「復習」の時間を用意できない人は、大金を費やしてスクールに通うのではなく、まずは独学という形で自分のペースで勉強を進めてみることをおすすめします。
失敗しないプログラミングスクールの選び方
ここまで、プログラミングスクールの負の側面をメインに紹介してきましたが、もちろんプログラミングスクールにも通うべきメリットは存在しています。
たとえば、多くのプログラミングスクールではレッスン外の受講生の勉強をサポートする担当がつき、受講生の質問対応やモチベーション管理を支援してくれます。
長期間の学習に慣れていない人やひとりでの学習に不安がある人は、積極的にサポートを依頼すると良いでしょう。また、IT企業の求人案件を紹介してくれたり受講生の転職活動を手助けしてくれるのも、プログラミングスクールならではの特徴です。
そこで、ここからは失敗しないプログラミングスクールの選び方を紹介します。
- 複数のスクールを比較する
- 無料カウンセリングに参加する
複数のスクールを比較する
プログラミングスクールに通学する場合は、必ず複数のスクールを比較したうえで通学するスクールを決めるようにしましょう。
自分に合ったスクールを選ぶ際に比較すべき項目は以下の5つです。
- 料金
- カリキュラムの内容
- 実績
- カウンセリングや体験授業の印象
- 評判・口コミ
料金やカリキュラムの内容、スクールの実績については公式サイトにも記載があるため、ほとんどの人が確認しているかもしれません。
しかし、スクールの評判についてはいかがでしょうか。
口コミや評判は実際にスクールに通学した受講生の「生の声」のため、企業側が用意した公式サイトのどんな内容よりも重要です。
スクールとの相性を考えるうえでも大事なポイントになるので、SNSやインターネットを駆使して目当てのスクールの評判や口コミについては必ずリサーチをかけるようにしましょう。
無料カウンセリングに参加する
公式サイトやSNSでの口コミよりももっと深くスクールとの相性を探りたい場合は、プログラミングスクールが用意している「無料カウンセリング」に参加するのもひとつの手です。
プログラミングスクールの無料カウンセリングでは、担当のカウンセラーがスクールの紹介はもちろん、受講生の悩みや目標をヒアリングしたうえで一人ひとりに最適な学習プランを提案してくれます。
ほとんどのプログラミングスクールで「無理な勧誘はしない」と公式サイトに記載があるため、気になるスクールがあればすべてのカウンセリングに参加してみると良いでしょう。
なお、スクールによっては実際のレッスン風景を体験できる「無料体験」に参加できる場合があるので、こちらも併せて参加しておくことをおすすめします。
初心者におすすめのプログラミングスクール3選
ここからは、プログラミング初心者におすすめのプログラミングスクールを3校紹介します。
- 侍エンジニア
- テックアカデミー
- DMM WEBCAMP
気になるスクールがあった場合は、前項の内容を参考に各スクールを実際にリサーチしてみましょう。
SAMURAI ENGINEER(侍エンジニア)
口コミや評判の良さでおすすめのプログラミングスクールは「侍エンジニア」です。
侍エンジニアは日本で初めてのマンツーマン専門プログラミングスクールで、現役エンジニアとしても活躍している講師が受講生ひとりひとりに専属で配属され、卒業まで二人三脚で学習を続けます。
さらに、レッスン開始時にヒアリングした内容を参考に受講生のレベルや目標に合わせたオリジナルカリキュラムを作成しており、受講生のゴールに向かって最短コースで完走することができますよ。
また、講師とは別に配属される「学習コーチ」が受講生の日々の学習や勉強に対するモチベーションを手厚くサポートしてくれるため、ひとりで完走できるか心配な人や長期間にわたる学習に不安を感じている人も安心です。
侍エンジニアが気になる方は、「無料カウンセリング」に参加して、より細かいサービス内容を確認してみましょう。
TechAcademy(テックアカデミー)
カリキュラムの幅広さでおすすめのプログラミングスクールは「テックアカデミー」です。
テックアカデミーは、すべての受講生がやりたい目標に向かって挑戦できるように多くのコースを用意しています。
そのコース数は公式サイト上で確認できるだけでなんと「35コース」。
「HTML/CSSコース」や「Githubコース」など学びたい言語やサービスに特化して短期間で学習するコースや、「フロントエンド副業コース」や「エンジニア転職保証コース」のように受講生の目的に応じて学習できるコースなど、学べる内容はさまざま。
プログラミング初心者向けにも「はじめてのプログラミングスクールコース」が用意されているので安心してください。
もしプログラミングで学びたい言語・サービスが決まっていたり、どんなエンジニアになりたいかという目標が定まっているのであれば、テックアカデミーを選択すると良いでしょう。
なお、テックアカデミーでは希望者に対して「無料相談」の機会が用意されているので、テックアカデミーが気になる方は参加してみることをおすすめします。
DMMWEBCAMP
料金の安さでおすすめのプログラミングスクールは「DMM WEBCAMP」です。
DMM WEBCAMPは「DMM英会話」や「DMM.com証券」などで有名なDMMグループによって提供されているプログラミングスクールで、未経験者向けプログラミングスクールNo.1のスクールとして知られています。
DMM WEBCAMPの受講料が安い理由は「給付金」。
DMM WEBCAMPが提供する「エンジニア転職(専門技術コース)」は厚生労働省と経済産業省の指定講座となっており、条件を満たすことで受講料の「最大70%(63万7560円)」の金額を給付金として受給することができるのです。
ちなみに「エンジニア転職」の各コースは転職できなかった場合に受講料を全額返金してもらえる保証を受けられるため、受講料を無駄にしたくないという人に特におすすめのコースとなっています。
DMM WEBCAMPでもエンジニア転職のプロに直接キャリア相談ができる「無料カウンセリング」が用意されているので、気になる方はぜひ参加してみましょう。
プログラミングスクールにまつわるFAQ
最後に、プログラミングスクールに関して良くあげられている質問とその答えについて紹介していきます。
これからプログラミングスクールへの通学を検討している人は、ぜひ事前に目を通しておきましょう。
- スクール料金相場はどれくらいなの?
- 「無料スクール」はやめとけって聞くけど本当?
- スクールに通っても就職できないの?
スクール料金相場はどれくらいなの?
各スクールの情報をリサーチしたところ、プログラミングスクールの料金相場は1ヶ月あたり「10万円程度」。
これは、大学受験の際に通う大手予備校と同程度の相場ですね。
なお、スクールによって受講期間が異なるため必要な金額が異なる場合がありますが、月額換算して求めてみるとスクールごとの違いがわかりやすいでしょう。
計算した結果、相場からあまりにもかけ離れた受講料を設定しているスクールは何か「落とし穴」がある可能性が考えられるので、より入念にリサーチをしておくことをおすすめします。
「無料スクール」はやめとけって聞くけど本当?
インターネットを検索していると、無料のプログラミングスクールに関する広告が多く見受けられますが、これらのスクールは危険なのでしょうか?
答えは「ほぼイエス」です。
プログラミングに限らず、ひとつのサービスを「完全無料」で提供することはまず考えられませんよね?
たとえば、受講料が無料の学習塾があったとしても、そこでまともなサービスを受けられるとは到底思えないはずです。
こういったスクールの多くは紹介先の企業から「紹介報酬」を受け取る形で成り立っていることが多く、場合によっては就職先を限定されかねません。
受講料は安ければ安いほうが良いというのは当たり前ですが、安すぎる受講料を設定しているスクールは何か「裏」があると考えて慎重にリサーチしたほうが良いでしょう。
スクールに通っても就職できないの?
プログラミングスクールに通うことで、基礎レベルのプログラミングスキルは習得可能です。
しかし、そこからの成長ができるかどうかは自分の意識次第でしょう。
特にエンジニアとして必要な「コミュニケーション能力」や「リサーチ力」は実案件やサービス開発を通じて学んでいくほかありません。
スクールに頼りっきりでなく、自分で解決しようとする「主体性」が大事だと言うことですね。
まとめ
今回は、プログラミングスクールの闇の部分と「やめとけ」と言われる理由について紹介しました。
プログラミングスクールには危険な噂が飛び交っていますが、健全な運営を実施しているスクールももちろん存在しています。
ただし、受講生の性格やモチベーション次第ではスクールへの通学をおすすめしない場合があるので、まずは自己分析をしっかりしたうえでゴールに到達するために必要なステップを踏むようにしましょう。